【相由心生】相は心から生じる
中国語に【相由心生】(相は心から生じる)という言葉がありますが、歴史にもそれにまつわる物語が記載されています。 悪い事をすると相(顔)に表れるらしいです。 悪い事はしてはいけません、ということですね。
相は心から生じる-外見は心が決める
無邪気で、あどけない子供たちの顔。彼らの顔が美しいのは、まだ世の中の汚いものに触れておらず、心が純粋だからかもしれません。年齢を経るとともに、皺 やシミが出てくるのは仕方ないとしても、せめて品格を保ったまま、美しく年を重ねたいものです。それには、身体の健康だけでなく、心も美しく磨かなければ なりません。特に、道徳的に堕落してしまえば、必ず顔に表れると古代の物語は伝えています。
宋の時代、シャオバオとシャオチーという双子の兄弟がいた。二人はその話し方やしぐさ、知識や考え方まで、すべてがそっくりだった。彼らは16歳で州の 試験に合格し、その後結婚した。
二人の両親は、新妻たちが二人を見分けられるように、それぞれ違う衣服を着るようにと命じた。それほど、二人の外見はとて も似通っていた。
ある道士は、双子の兄弟の顔を見ながら言った。「二人とも、とても見栄えがよいな。鼻筋はまっすぐに通り、唇に赤い点があり、耳はほんの り赤い。ふるまいには品格があり、目には輝きがある。二人とも、科挙ですばらしい成績を上げるだろう」
秋になり、二人は科挙の試験を受けるために都へ上った。身を寄せた親戚の家の隣は、美しい未亡人の家だった。シャオバオは勉強に集中し、未亡人には目も くれなかったが、一方、シャオチーは自制できず、未亡人と密通した。後に二人の仲は周囲の知るところとなり、未亡人は罪の意識から川に身を投げて自殺し た。
二人は都での試験を終えると、再び道士を訪れた。すると、道士は驚きながら言った。「二人の顔は、大きく変わっている。一人は更によくなり、もう一人は とても悪い。シャオバオの眉は紫色の光を放ち、目は星のように輝いている。この男は、必ずやすばらしい成績で試験に合格するだろう。一方、シャオチーの眉 も変わっている。この男の目はむくみ、鼻筋は赤黒くなった。精神も衰え、消えかけている。顔が変化したのは、道徳が低下したからに違いない」。
その後、道 士が予言したとおり、シャオバオは試験に合格し、シャオチーは落ちた。自責の念に苦しんだシャオチーは、その後すぐに亡くなった。一方、シャオバオは高官 となり、多くの子供と孫に恵まれ、幸せに暮らした。
数十年後、シャオバオは70歳を迎えた。大勢の親戚が集まって彼の誕生日を祝っていると、道士がやってきた。
道士は祝いの言葉を述べた後、次のように言っ た。「人の顔を読むのは実に簡単だ。しかし、その人物が最終的に、どのような運命を辿るのかを見ることは難しい。人は悪行を重ねれば福を失っていくが、善 行を重ねれば罪は消されていく。心に生じた思いは顔に刻まれ、他人の目から逃れることはできない」。幸運を得るのか、それとも不幸な人生を送るのか。その 別れ道は、自らの行いによって決められていく。(大紀元より)