最新記事 中国伝統文化百科 中国歴史と名人聖人 中国語の故事成語

【成語故事】背水一戦/背水の陣

投稿日:

「巨人の高橋由に豪快な一発 背水の陣で挑むシーズン」(産経新聞2012.3.6)

 

「任天堂“背水の陣” 3DS大幅値下げ

発売からわずか半年、異例の措置」(MSN産経ニュース2011.8.11)

スポーツ選手も企業も、絶体絶命の窮地に追い込まれたとき、その苦境から脱するべく「背水の陣」で臨む。天命は変えようがないとはいえ、無心の境地で対処すれば、計り知れない力が生まれてくるのかもしれない。

「背水の陣」とは、次の故事に由来する。

 

漢の大将軍・韓信は、劉邦から授けられたわずかな兵で、20万の趙軍と戦うことになった。韓信はまず、2千の騎馬兵に一人一本ずつ漢の赤い幟を持たせて山陰に隠れさせた。そして自身は1万の兵を引き連れ、川を背に陣取った。

翌朝、韓信が大将の旗を掲げ太鼓を打ち鳴らしながら趙軍目がけて攻めて来ると、趙軍は川を背にしたわずかな漢軍などすぐに攻め落とせると考えて、全軍をあげて攻めこんできた。ところが、漢軍の兵士は、後ろに逃げることもかなわないため、皆必死に抗戦した。

どうにも攻め落とせないと見た趙軍が引き返そうとしたところ、自軍の砦はすべて漢の赤い幟で埋め尽くされていた。2千の騎馬兵が隙に乗じて、砦(さい)を乗っ取ったのである。それを見た趙軍の兵士は大いに混乱し、ついには漢軍に敗れるところとなった。(史記・淮陰侯列伝より)

韓信が川を背に布いた陣を「背水の陣」という。兵法では上策とされないこの方法を採ったことについて、韓信は、「軍をあえて死地に置くことによってかえって生き抜くことができる」という兵法もあると話したという。

この記事が気に入ったら
いいね ! お願いします

Twitter で

新着記事

1

米国務省は3月20日、「2022年人権報告書」を発表しました。そのうち、ジェノサイド、人道に対する罪、国境を越えた弾圧、生きた人からの臓器狩 ...

2

検閲のない、健全なプラットフォームにあなたのチャンネルを作りませんか。

3

中国のスパイ気球に続き、米国内各地の港湾で操業している中国製のクレーンが中国共産党の新たなスパイツールになりかねないと懸念しされています。

4

インドネシアが、共産主義の流布と宣伝を違法とみなし、刑罰を科すると定めました 共産主義の宣伝は違法 12月6日、インドネシア議会は刑法改正案 ...

-最新記事, 中国伝統文化百科, 中国歴史と名人聖人, 中国語の故事成語
-,

Copyright© シークレット・チャイナ , 2024 All Rights Reserved.