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因果応報の実録:馬になった女性

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「輪廻」って、信じる方もいれば、信じない方も多いと思いますが、中国の伝統文化の中では、輪廻、つまり生まれ変わりは確実に存在します。歴史の記載も多く残されています。信じない方は神話だと思って、お読みになってください。(⌒-⌒; )

生命はどこから来て、死後はどこへ行くのか。科学が発達した現代においても、明確な答えは得られていません。古代人の死生観によると、人は一生の間に積んだ善行(徳)と悪行(業)により来世が決められ、輪廻転生していくといいます。その一生の間に、過去世で借りたものを清算しなければならないのです。この世には厳粛な掟があるので、死後、後悔することがないようにと古代の物語は伝えています。

 

ウェイ・ハンチェン(魏漢臣)は、美しく徳のある女性と結婚した。現地の慣習に従い、女性の母親は娘に、結婚の記念として金のブレスレットをプレゼントした。女性は喜び、妻となった後もずっとそのブレスレットを身につけていた。

 

平安な結婚生活を送っていたある日、妻は食事の支度をしていた。ブレスレットが台所の縁で擦れることを心配した妻は、それをはずして食卓の上に置いておいた。その時、隣の家に住むフイ(恵)が台所に顔を出し、妻とフイはしばらくおしゃべりした後、フイは帰っていった。妻は再び食事の支度にとりかかり、ひとしきり家事を済ませて食卓に戻ってくると、ブレスレットがなくなっているのに気がついた。家中を隈なく探しても見つからない。妻は悲しみにくれて泣き出した。帰宅したウェイは妻から事情を聞くと、「後で新しいブレスレットを買ってあげるから」と言って、泣き止まない妻を慰めた。

 

隣に住むフイが亡くなって、数年後のある日のことである。見知らぬ子馬が突然、村に入ってきた。乳離れしたばかりのような小さな子馬だったが、すばしこくて村人はなかなか捕まえられない。半日ほど馬を追い掛け回した村人たちは疲れ果て、あきらめて家に帰った。

夜になって、子馬は馬小屋の中に入ってきた。ウェイは小屋で家畜のための飼料を整えていたが、子馬はウェイを見ても驚くことなく、トコトコと歩いてきて、柵の横で止まった。ウェイは近くに落ちていた縄を拾うと、首に繋いだ。子馬はまるで、ウェイに拾われるのを待っているようだった。ウェイはそのまま子馬を連れて帰り、数週間後、市場で売った。   子馬が売れた日の夜、ウェイの夢にフイが出てきた。フイは、ウェイの妻のブレスレットを台所で盗んだと告白した。フイによると、彼女は前世でウェイに借りがあるので、そのお返しをするために馬に生まれ変わったという。フイは話し終えると、姿を消した。

 

夢から覚めたウェイは、市場で馬が売れた時に得たお金を勘定してみた。それは、金のブレスレットを買うのに十分な金額だった。その後、ウェイはこの一件が忘れられず、出会う人には必ず伝えた。「もし人間が悪いことをすれば、来世は牛や馬に生まれ変わる。反対に、人間がよいことをすれば、来世は果報を得られるだろう」

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