今日は5月の最後の日。
新しく社会に出た新米社会人はまだ「5月病」に悩まされているのでしょうか。
人生は辛い。誰もが人生は辛いと思っています。生まれて何の苦労もせず、不幸にも見舞われず、病気もせず、幸せに一生を終わらせる人なんて、どこにもいません。
もしそのような人がいるとしたら、彼はきっと人間ではなく、神様です。しかも生きているのは人間世界ではなく、天国でしょう。
人間に生まれた以上、「生老病死」という自然のルールに制限され、産声をあげたその日から死ぬその日まで、様々な苦難、紆余曲折を経験します。
なぜでしょう?!
考えてみる価値のある問題だと思います。
■人生がつらい原因とは
時の経過と共に、止められないのが老化現象。顔の皺や白髪、身体の衰えは自然現象であり、誰にでもやってくるものです。
しかし、気をつけなければならないのは、人に対する愚痴、不満、嘲りといった心の老化。それは、肥大した「自己」の裏返しであり、自分の夢、プライド、名声が満たされないことの現れとも言えます。
心の老化の芽に気づいたら、早めに摘むことが必要です。なぜなら、「自己」が肥大すればするほど、よりずる賢くなったり、物事におっくうになったりするからです。それでは、心の老化した人の結末は、一体どうなるのでしょうか?
次の古代の物語が教えてくれるかもしれません。
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中国・河間府に馮樹楠(ヒョウ・ジュナン)という人がいました。彼は学識が高く、才能ある文士だったが、なかなか成功することができなかった。彼にチャンスが訪れることは何度もあったが、なぜか彼はいつもそれを逃がしてしまう。
馮樹楠が知人に助けを求めると、知人は快く承諾するのだが、彼らは結局約束を果たさないのだ。このような事が繰り返し起こり、馮樹楠は金銭的にも苦しい生活を送った。そして彼の心は知人たちへの恨みで一杯だった。ある日、彼は廟を訪れ、心から祈った。
「なぜ、私の人生はこんなにもつらいのか?できることなら、教えてほしい」
その夜、馮樹楠の夢に仙人が現れ、厳かに言った。
「お前は、誰を非難することもできない。自分の運命は、自分が決めたことなのだから。
前世で、お前は偽善的な話を雄弁に語り、誠実で親切な年長者たちを騙し、彼らの信頼を得た。お前はやるべき事をやらず、仕事を他人に押し付け、そのくせ他人が成功すると、それをうまく自分の手柄とした。自分に少しでも不都合な事があれば巧みにそれを回避し、知らんふりをした。ほんの少し手を差し伸べるだけで人を助けられるのに、面倒だと思い、何もしなかった。とても計算高く、ずる賢い!
考えてもみよ、お前は一見いい人に見えるが、その分他人が損をこうむり、陰で苦しんだのだ。現世で多くの知人がお前との約束を果たさず、お前の現状に無関心だったとしても、仕方がないだろう」。
馮樹楠は過去の過ちを心から悔やんだが、ほどなくして病にかかり、亡くなってしまった。
何事にも原因があり、結果がある。
それは目に見えない天の掟であって、誰もがそのルールに従って人生を送っている。負うべき責任を受け入れ、やるべき仕事をこなし、人には正直に、親切に対応する。
シンプルで純粋な人ほど、実は一番、運を味方につけることができるのだ。
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全ては結局自分が撒いた種、ということですね。
因果応報は天理。
日本語に「天に唾する」という言葉がありますが、自分がやった全ては結局は自分のところに戻ってくる、ということですね。
中国人のみならず、世界中の人が心の中に刻んでおくべき言葉だと思いました。