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【成語故事】国士無双(こくしむそう)

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【成語故事】国士無双(こくしむそう)

国士無双十三面待ち、ダブル役満で6万4千点!

マージャンをたしなむ方ならおわかりでしょうが、「国士無双」とは、字牌7種と一九牌6種を1枚ずつ揃え、そのうちのどれか1種をもう一枚加えて雀頭(ジャントウ)としたあがり方で、かなり点数が高くなります。

ところが、これは本来、マージャン用語ではなく、「韓信(かんしん)の股くぐり」で有名な漢の大将軍・韓信を指すことばです。 劉邦(りゅう ほう)は、項羽(こうう)によって辺鄙な漢中・巴蜀(現在の重慶・成都一帯)の王に封じられました。ただそこは、故郷からあまりにも遠かったため、望郷の 念に駆られた将兵が多く逃げ出しました。韓信もその一人です。(わざわざ項羽を見限って劉邦の元にやってきたのに、結局重用されなかったということもあっ たようです。)

 

すると、韓信を高く評価していた丞相(じょうしょう、最高位の大臣)の蕭何(しょうか)が、何も言わず韓信を追いかけました。事情を知らぬ者が、「丞相も逃げた」と告げたので、劉邦は大いに怒り、かつ両腕を失ったかのように悲しみました。 数日して蕭何が帰ってきました。劉邦は怒り、かつ喜び、聞きました。

「おまえはなぜ逃げたりしたのだ」

 

「逃げたのではありません。逃げた者を連れ戻しに行ったのです」

 

「それは誰だ」

 

「韓信です」

 

すると、劉邦は怒って、

 

「これまで何十人も諸将が逃げたが、おまえはそれを追いかけたことなどないではないか。韓信を追いかけたというのは嘘であろう」

 

「諸将はすぐにでもまた得ることができますが、韓信のようにすばらしい人物は、国士無双、すなわち、天下にまたとない人物です。王が、漢中・巴蜀の王の ままで満足なら、韓信の使いどころはありませんが、天下を争おうとするならば、韓信以外に共に軍略を練ることのできる者はいません」

 

それを聞くと、劉邦は、

 

「もちろん、天下を争うつもりだ」と答えました。

 

「ならば、韓信を留め置き用いてください。用いないならば、韓信は去るでしょう」

 

「では、韓信を将軍としよう」

 

「将軍では、韓信は留まりません」

 

「ならば、大将軍としよう」 (『史記』淮陰侯列伝より)

 

というわけで、韓信はその後、劉邦の片腕となって、大いに劉邦を助けることになります。 「国士」とは国の中でひと際秀でた人物のことであり、「無双」とは文字通り、二人といないということ、つまり、「国士無双」とは本来、国に二人といない 秀でた人物ということです。それがマージャンのあがり手の名前につけられたのは、十三面待ちができるようなかなり優れモノのあがり手だからでしょうか。(大紀元)

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