「苦肉の策」
中国語では「苦肉計」と言います。
kǔ | ròu | jì |
苦 | 肉 | 計 |
「苦肉の策」ということばは、日本でもおなじみの『三国志演義』の「赤壁の戦い」で、劉備・孫権連合軍が曹操軍を打ち破るためにとった「苦肉計」が語源だと言われる。
連合軍の周瑜(しゅうゆ)は配下の黄蓋(こうがい)を、軍に逆らったとして鞭打ちの刑に処した。重傷を負った黄蓋は、曹操軍に投降した。事情を聴いた曹操 は黄蓋を受け入れたが、実はこれは周瑜と黄蓋が曹操を欺くために仕組んだ策略で、曹操軍に潜り込むことに成功した黄蓋は、艦隊や軍営に放火し、曹操軍を壊 滅に追い込んだ。
この故事に見られるように、「苦肉計」とは、自らの体(肉)や味方を苦しめることによって敵を欺く計略のことだが、そ こから生まれたと言われる日本語の「苦肉の策」は、「苦し紛れに考え出した手段」という意味で用いられる。「苦」という語からの連想によって派生したもの と言われる。
ところで、「苦肉計」は、『兵法三十六計』の中で、「美人計」や「空城計」などと並んで、「敗戦計」(自国が圧倒的劣勢の場合に用いる奇策)の一つに挙げられている。 (大紀元)